上野 ゆり

■なぜ訪問看護師になろうと思われたのですか?

私が看護師を目指したきっかけが訪問看護師でした。祖父が在宅で亡くなった際に訪問看護師さんが来ているのを見て、看護師になりたいと思ったんです。
ただ、看護師になりたての時は、訪問看護は1人で行き、判断し、対処するというイメージがあったため、看護経験がない中で挑戦するのは怖いという想いがありました。そこで、病院で約10年経験を積んだ後に訪問看護師になりました。
訪問看護師になってみて、病院で培った技術と知識は自分の武器になるので、病院で経験を積んだことは良かったと思っています。ただ、同時に病院での経験にとらわれないからこその視点もあると、病院経験の浅いスタッフを見ていて感じることもあります。なので、一概に「病院での経験を積む方が良い」とも言い切れないなと今は思っています。

 

■なぜ訪問看護ステーションの中でもななーるを選んだのか

上記の通り訪問看護師を目指したきっかけが在宅看取りだったので、在宅看取りができるステーションを希望していました。その中でも、ななーるは科学的根拠を持つことを大切に看護をしているという点があったので、「人として」「看護師として」看護を提供することを両立した看護が出来そうだと思い、ななーるへの入職を決めました。
実際に働きだしてみて、人間としての感情が医療の視点を上回ることがありますが、私はそれが在宅看護には大事だと感じています。医療の正解は、患者さんひとりひとりの正解じゃない。だから、私は訪問看護師として、医療としての正解以上に、その人のベストを一緒に出すことを大切にしたいです。また、そういうところを大切にできる看護師のかたは、ぜひ仲間になっていただきたいと思っています。

 

■看護リーダーとして大切にしていることはどんなことか

スタッフひとりひとりの個性をいかし、スタッフが楽しいと思える仕事やケアができることを1番に心がけています。なぜなら、スタッフが活きていないと、利用者さんを活きるに導く看護ができないからです。
そのために、普段の会話の中からスタッフが何を得意をしているか、何がしたいかを知ったり、どうすればスタッフの可能性が広がるかを考えるよう心がけています。スタッフには、「こんなことがしたい!」というのを言ってほしいです。それはできるだけ叶えてあげたいと思っています。

 

■今後どんな人材になりたいですか?

訪問に行ったら利用者さんは「ありがとう」と言ってくれます。でも、その言葉にやりがいを感じるだけでなく、「ありがとう」が本当に「ありがとう」と言ってもらえる状態なのか。このケアが本当に正しかったか、次につながる良いものだったのかを毎回振り返り、初心にかえりながらステップアップをしていける看護師になりたいです。